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“爆買い”は今年の「流行語大賞」候補?

専門家によるコラム

“爆買い”は今年の「流行語大賞」候補?

大家,新年好!

中国大陸はもとより、世界の中華文化圏の国々では、昨日2月19日に旧暦(陰暦)のお正月、いわゆる「春節」を迎えた。
前日の大みそか夜の馴染みの激しい爆竹から始まり、日本のテレビでも中華の正月のありさまを報道している。

中華圏の正月の報道は実は今に始まったことではなく、「季節の便り」的な意味合いで、爆竹やら獅子舞やら、また大勢の乗客がスシ詰めになる帰省列車の様子など、ずっと昔から毎年恒例のニュースとして必ず紹介されてきた。

但し今年はこれまでの何年間には無かったニュースがこの数日間で何度も何度も紹介されている。
それは今年初めて聞くワード、中国人旅行客による「爆買い」。

昨日私はたまたま神戸にいたが、東京ほどではないにしても、確かにデパートでも駅でも、一目で中国人旅客と分かる家族連れや男女を何度も見た。
女性グループも多い。
残念ながら爆買いのその瞬間をその場で見る機会も時間も無かったが、ただ誰もがとても大きなスーツケースを引っ張ってデパートやショッピング街を激しく往来していた。

かつて私は中国に住んでいたことがあるが、少なくとも20年前の中国は、正月の海外旅行などは端から論外で、そもそも家から外出そのものを控え、家族や親類と家庭で食事や麻雀などを楽しむ、という光景があった。
外出・外食をしない理由はお店やデパート、レストランが閉まっていたからだ。
中国のお正月はとても静かで、外国人居住者は行くところが無くてちょっと寂しい、という印象さえ当時はあった。

当時、日本文化もよく知る同僚中国人のWさんが私に、「中国人の正月はとても特別。普段離れている家族と家でゆっくり過ごしたり、親類を訪ねて遊んだり酒を酌み交わすんですよ。既に日本では失われたこの文化・習慣は中国では今後千年経っても変わらない」と言ったことをよく覚えている。

千年経っても変わらないと聞いた習慣や行動は、その後10年も経たないうちに大変化に入り、海外に出かけて「爆買い」と言われる消費行動にまで至っている。
皮肉を言っているのではない。
日本人自身も、かつて「古き良き…」と言われていた幾つもの生活習慣から、国外に出てショッピングやレジャーを楽しみ出し、当時は「爆買い」の言葉は無かったがご婦人方によるブランドグッズの「買い漁り」などと面白可笑しく揶揄されたこともある。

日本人が海外旅行に行く目的としては、もちろん現在もショッピングは人気の消費行動に違いないが、ショッピングからさらに別次元の新たな消費行動に明らかに変化し移ってきている(ビジネス/出張等は別です)。
これを中国人旅行者に向きかえると、近いうちに同じ変化に移っていくのではないか? 
すでに少しそういう変化もみられるのではないか?と考える。

そこに日本の中小企業様には新たなビジネスチャンスが大きく潜んでいるのではと思っております。
皆様もアプセムといっしょに考えてみませんか?

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コラムニスト

ヨシノトレイディングサービス 吉野泰史
アプセム副理事

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